Coffee ticket for the future.

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「今は自宅でコーヒーを楽しんでほしい」という思いを込めて未来に使えるコーヒーチケットを作りました。

当店の通信販売をご利用の方に1枚づつ同封していきます。
遠く離れた場所から注文してくださる方にも、いつかは福岡に遊びに来てほしいし、お店にコーヒーを飲みに来てほしいと思っています。お近くの方でもコーヒー豆を買いに行きたいけど行けない…といった方もいらっしゃると思います。

使用可能期間は、現在のコロナ禍が落ち着きを見せ、外出に自由を感じるようになった時〜無期限 です。コーヒーカウンティ全店舗(存続していれば)でコーヒードリンク一杯をサービス致します。

コーヒーカウンティ各店舗では、コーヒー豆を購入いただくとコーヒードリンクを一杯サービスしています。このサービスコーヒーをテイクアウトされる場合、カップ代を100円頂戴していますが、これはカップのコストの問題や環境に対する意識もありますが、美味しく味わってもらうために、当店で、当店のカップで楽しんでほしいという思いの部分が強いです。

しかし、現在の状況ではソーシャルディスタンスの確保が難しい場合も無いとは言えず、私たちから店内利用を無理におすすめすることはできません。サービス分のコーヒーはこの状況が落ち着いた いつかの時でいいよ、という方にもこのコーヒーチケットをお渡し致します。遠慮なくスタッフにお声がけください。

・チケットのデザインについて
私たちの仕事は私たちだけでは成り立たず、コーヒーを育む土地や人、私たちの元に届くまでに関わる多くの人があってこそです。その思いも込めて、生産地の光景をデザインに用いました。この状況が収まりを見せるまでの間配り続けます。少量づつ製作し、デザインを変えていこうと考えています(少ない種類で終わるに越したことはありませんが…)。一枚目は今年の年初に訪ね、エチオピア、精製所でのハンドピックの様子です。
使えるようになるまで冷蔵庫にでも貼っておいてほしいです。ご自宅で美味しいコーヒーを飲みながら眺め、遠くの国に思いを馳せてほしいです。私たちも今のこの状況を忘れないように、多くを学び、皆さんと共に乗り越えて行きたいと思っています。そして、

¡Nos Vemos! en COFFEE COUNTY.(コーヒーカウンティでまた会いましょう!)

コーヒーチケットの配布は終了しました。

THE ETHIOPIAN ROAST

当店の全く新しい焙煎ライン、その名も THE ETHIOPIAN ROAST をリリースしました。

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THE ETHIOPIAN ROAST はエチオピアで古くから行われているコーヒー焙煎からインスピレーションを得たコーヒーです。 

エチオピアでは一杯のコーヒーを嗜むのにゆっくりとした時間をかけます。まず炭火のコンロで熱した陶板の上にコーヒー生豆を広げ、ヘラで混ぜながら、部屋中に煙が充満し、豆が真っ黒になるまで煎ります。次に煎り上がった豆を木臼に入れ、木の棒で搗いて細かく砕きます。このコーヒー粉とコンロで沸かしたお湯をジャバナという土瓶に入れ、数回沸かし煮出した後、ジャバナを火から下ろし、少し落ち着かせ粉を沈めます。そして漉さずに小さいカップにコーヒーを注ぎ、皆に振る舞います。二煎目、三煎目と飲み終わる頃には2 時間ほどの時が過ぎています――こうした一連の作法は〈コーヒーセレモニー〉と呼ばれ、一般家庭においても行われているエチオピアの伝統的な文化です。
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カヨカミノ農園でのコーヒーセレモニーの様子。上の絵と文字は、この炭のコンロと陶板をモチーフにデザイナーの長尾周平が描いた。

2020年、年始早々にエチオピアを訪ねました。
 エチオピア・カヨカミノ農園のあるあたりはコーヒー発祥の土地にほど近く、原始のコーヒーを体感できる場所です。2年ぶりに訪れたカヨカミノ農園に宿泊し、明くる朝コーヒーをいただきました、コーヒーセレモニーの様式で。
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それは格別でした。朝の光の中、そこで穫れたものを、その土地のやり方で、その場所でいただいたのですから。
 大変感動的な時間、味わいでしたが、少し経って冷静にコーヒー液を評価してみました。カヨカミノ農園のコーヒーは素晴らしく、素材として申し分ない品質ですが、荒っぽく焼かれ、数回も沸騰させられたコーヒーにも関わらず雑味が少なく、コーヒー本来の風味、力強さに溢れ、かつここでしか味わえない野性味を感じる。さらに後味はスッと消えていく。なぜだろう…..。

 
秘密は焙煎にありました。

 コーヒーセレモニーでの焙煎は炭火で火力を調整できないため、豆を
短時間のうちに強火で焼くのが特徴です。その結果、コーヒー豆ひと粒
ひと粒の外側と内側に焼きムラが生じます。表面に強い火力が加わるこ
とで野性味やスパイシーな風味が生まれますが、中心部は深く焙煎され
ていないため、エチオピア豆がもつ果実味が閉じ込められています。出
来上がったコーヒー液からは、この相反するような幅広い味わいが感じ
られるわけです。

 また、強火でしっかり “ 焼き切る”ことにより、残った水分による渋みや
重さがなく、思いのほかすっきりとした後味が生まれます。そのため数
回煮出してもくどい味にはなりません。コーヒー豆への火の伝わり方に、
エチオピアで飲むコーヒーの味わいの秘密があったのです。


これを当店のプロバット焙煎機で再現したのが THE ETHIOPIAN
ROAST です。

 強い火力で焼き切ることでエチオピア豆の持つポテンシャル、複雑さ
を引き出しました。火の力により生まれた力強い風味の中に閉じ込めら
れた果実感は、ビターチョコに包まれた苺のよう。彩る甘いスパイスや
大地の香り、これらが織りなす味わいのグラデーション。しかしなおも
すっきりと消えていく味わいの心地よさを目指し、実現しました。
 原始
のコーヒーの味わいをお楽しみください。


THE ETHIOPIAN ROAST 200g

THE ETHIOPIAN ROAST 400g

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COFFEE COUNTY started there.

 森です。今年になってコーヒーに感動することが多いのですが、先日は涙をにじませてしまいました。


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 ニカラグア・エンバハーダ農園、当店の最初期より購入させてもらっていて、当店を長く利用いただいてる方にはお馴染みの銘柄かと思います。COFFEE COUNTY の開店前、私が主に滞在したのがニカラグアです。写真の生産者・セルヒオさんの別の農園、カサブランカ農園に住み込み、約3ヶ月研修させてもらいました。セルヒオさんの所有する3つの農園のうち、最も山深く、アクセスが悪く、困難な環境で、だけど美しく、素晴らしいコーヒーを生み出すのがエンバハーダ農園です。農園までの道のりは大変険しく訪ねるのは大変ですが、一歩足を踏み入れるとわかる特別な環境。森の中に野鳥の声が響き、独特の植生と微小気候が作り出す神秘的な農園です。

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 開店前、産地で買い付けたのがこのエンバハーダ農園とカサブランカ農園で、この二つのコーヒーだけでCOFFEE COUNTY を始めました。以降、毎年訪ね、継続して購入して来ました。エンバハーダ農園は当店を代表する、また最も大切な農園と言えます。

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 毎年エンバハーダ農園とは様々な取り組みをしてきました。しかし、昨年は収穫がなく、その結果もちろんのこと入荷がありませんでした。主な理由は天候不順と、これに関連してくる労働コストの増加です。前述の通り、過酷な環境のこの農園、周辺からのアクセスが悪く、山肌の急斜面にコーヒーの木が植わり、労働環境が厳しいです。昨年は収穫期に天候が悪く(雨が降り、低温)、完熟前のコーヒーチェリーが地面に落ちてしまいました。悪天候により労働環境がさらに悪化、ピッカー(コーヒーの実を手摘みする労働者)のコストが甚大です。ニカラグアの法定のピッカーに支払う金額の2.6倍もの金額でオファーしてもピッカーが集まらなかったということです。結果、コーヒーの実は地面に落ちてしまいます、負のスパイラルです。歩合のいい隣国のコスタリカ(ニカラグアより格段に裕福)に多くのピッカーが流れていってることも要因としてあると思います。

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 そんな昨年を経て、セルヒオさんはエンバハーダ農園を売りに出していました。収穫すらできず、当然の赤字、政治情勢もあり銀行はお金を貸してくれません。コーヒー農家としての存続が大変厳しいなかで手放すしかないという苦渋の決断です。もちろんこの農園が素晴らしいコーヒーを生み出すということはセルヒオさん自身が一番わかっています。ですが割に合わないのです。私も何かできないものかと考えて来ましたが、その場しのぎではダメ、との思いが拭えず時が過ぎました。

 結局現時点まで農園は買い手が見つからず時間が過ぎ、今年も収穫時期を迎えました。今年はいくらかの収穫を得ることができたようで訪ねた際、「これは君のためのコーヒーだ」、と特別なものを用意してくれてました。カッピングの結果、まずまずでしたが極端に高い評価をしたわけではありませんでした。その理由の一つは彼がトライアンドエラーを繰り返し、磨き上げて来たプロセスにあると思います。Triple Fermentation. 3段階の発酵過程を意味します。非常に手間のかかる高コストなプロセスです。なんとも大げさな味のコーヒーを作り出しそうですが、それぞれの発酵過程に彼なりの意味があり、洗練され、かつ複雑な風味を作り出します。しかしこの複雑さゆえ、現地でのカッピングでの非常にフレッシュな状態の場合、真価を発揮できていなかったのだと思います。もちろん並んでいた彼の様々なコーヒーの中では最も評価をしましたが。


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 最近のスペシャルティコーヒーにおいて時折見られるプロセス偏重のインパクトが強いだけのコーヒーではありません。テロアール(土地)とプロセス(人)の掛け合わせで良いコーヒーが生まれます。どちらが欠けても素晴らしいコーヒーは生まれません。セルヒオさんは時折コスト度外視でマニアックになりがちですが…、ここにきて数々の経験から風味の向上と洗練、その両方を獲得しています。

 さて、冒頭の話、涙をにじませたコーヒーですが、先日このエンバハーダ農園のコーヒー2種が入港し、サンプルを取り寄せ、テストローストし、カッピングを行なった、10月28日のことです。こんなに素晴らしい風味になるのか!と感極まってしまいました。エイジング、そして船旅を経て到着した今、素晴らしい風味に変貌していたのです。

 現地での生豆買い付けの際は、その時に出来上がった風味のものをそのまま評価してしまうと到着時あれ?となってしまうことがあります。到着までの時間を逆算して選定、買い付けするようにはしています。ですがこのコーヒーはその想像をはるかに上回りました。

 セルヒオさんにメールをしました。あなたの作ったコーヒーは、これまでのエンバハーダ農園史上最高の出来、僕の買った値段の倍の価値があるよ、と。世界中で最も素晴らしいコーヒーの一つだ、と。

 その前に送ったメールには返信がなく、コーヒー農家を辞めてしまった、もしくは気持ちが切れてしまったのかなと心配していました。ですが上のメールには返信があり、「まだやってるよ」と自嘲気味に、そして「そう言ってくれる人を待ってた、自信になった」と言ってくれました。「もっと上を目指す」とも。

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 依然としてセルヒオさんのコーヒー生産者としての経済状況は厳しいものです。
私はそこで買い付けたこのエンバハーダ農園のコーヒー2種(TF Natural, TF Pulped Natural)を買い付けた金額から算出される価格よりもいくらか高い金額で販売したいと思います。そしてこのコーヒーから得られるすべての売り上げの20% をセルヒオさんに寄付します。

 焙煎も含めクオリティに関しては絶対の保証をします、さらにこの金額以上の価値のあるコーヒーだと約束します。
 

 このコーヒーの20% の売り上げをセルヒオさんに還元した場合、概算では約45万円がセルヒオさんに渡ることになります。この金額は、今回の私の買い付けでセルヒオさんに渡る金額と同等かそれを少し上回るもので、つまりは倍の金額でセルヒオさんからこのコーヒーを買ったのと同等のことになります。その価値が十分にあります。

 しかし、倍の金額で買った場合の価格で今回みなさまに販売しているわけではありません。その場合は今より高い値段で販売せざるを得ません。上記のようにセルヒオさんの作ったコーヒーへの正当な評価と考えてください。

*寄付の結果は、販売終了後、送金が完了次第こちらで報告させていただきます。

 このエンバハーダ農園の2種のプロセスのコーヒーは当店にしかありません。ロースター、伝え手、売り手としての私を信頼し、大変な中このようなチャレンジをし、素晴らしいコーヒーを作ってくれたセルヒオさんを労いたい。ですが、この取り組みによってセルヒオさんの農園経営が上向く、などとは全く思っていません。人助けがしたい、というのとは少し違います。ただ、一人のコーヒー好きとしてはエンバハーダ農園のコーヒーを来年も飲みたいし、ロースターとしては、来年このコーヒーを価値に見合った適正な価格で買いたい、そしてこの素晴らしいコーヒーを来年も皆さんに届けたい!という思いからです。

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 セルヒオさんにこのエンバハーダ農園から来年もまた素晴らしいコーヒーを作ってほしい、そのための一つの励ましになればと思っています。


 
*2019年収穫のエンバハーダ農園のコーヒーは完売しました。ありがとうございました。

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Nicaragua Finca La Embajada Triple Fermentation Pulped Natural 200g

Nicaragua Finca La Embajada Triple Fermentation Pulped Natural 400g

そこにしかない自然と人の手が生み出したとても美しいコーヒーです、是非味わってみてください。

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*追記
2020年2月26日、皆さまからいただいた、エンバハーダ農園に関わる当店の売り上げの20%

合計額 ¥563,846-
換算額 US$5123

上記を、いち早くニカラグアを訪ねた方に預け、セルヒオさんにお渡しすることができました。

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 皆さまの飲まれた一杯一杯が、遠く離れた土地の生産者やコーヒー農園と繋がっています。今回このような取り組みによって皆さまと生産者の間の架け橋となり、僅かかもしれないですが支えになれるということは、大変コーヒー屋冥利に尽きることです。飲んでいただいた皆さま、本当にありがとうございました。

 今年のエンバハーダ農園、多くはないですが収穫できそう、とのことです。私もまた5月頃訪ねる予定です。

素晴らしいコーヒーを、共に、楽しみに待ちましょう!

メディア掲載

最近の雑誌掲載情報です。

VERY December
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cafevinoを紹介頂いています。
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MAISHA No.17
写真 2
こちらもcafevinoを紹介頂いています。
写真 1

& Premium 2015 January
写真 3
コーヒーの特集が組まれています。
写真 4

雑誌掲載と10月の休業日のご案内です。

昨日まで厳しい暑さが続いていましたが、
今日は雨交じりの天気で急にまた秋めいてきました。

9月はイベント続きでカウンティには怒濤の一ヶ月だったんですが、
10月は少しのんびりペースになりそうです。
新豆も続々届いています。
秋のお供にぜひコーヒーをどうぞ。

&Premiumというライフスタイル誌に wax store surfside
( http://hightide.co.jp/news/wax-news/hightide-wax-store-surfside.php )
経由でcafevinoを取り上げていただいています。
ぜひ書店でお求めください。

それから10月のスケジュールです。
10/4(土) 所用により臨時休業日
10/13(月・祝)体育の日(定休日)
10/18(土)~19(日) うきは・かき色の市に出店
( http://cictic.jp/news/%E3%81%8B%E3%81%8D%E8%89%B2%E3%81%AE%E5%B8%82/ )

この他に移動販売やイベントなどが決まりましたら
随時ご案内いたします。

特に10/4はご迷惑をおかけしますが
どうぞよろしくお願いいたします。